犬は私をどう思っている?
犬は人のことをどのように考えているのでしょうか
今日も寒そうですね〜
週末までお天気はいいものの寒さも続きそうです。でも雪はふらないですね〜
さて、先日、生徒さんからこんな話がでました。
犬は私たち家族の一人一人をどう見ているのか?
これはなかなか興味深いお話ですよね。
以前は序列で判断しているということをしきりに言われていましたね。
犬社会は縦社会で上下関係によって出来上がっているということなのですが、これはまったく根拠のない事です。
すでに何十年も前に犬先進国では科学的に解明されているものの、日本では遅れた感覚が未だにまかり通っています。
勿論、人間が序列でつきあえば犬はそのようになっていきますから、そこだけみればまさに縦社会です。
でもそれは人間が作り出したものであって、犬社会をみているとそういうことはありませんし、オオカミ達も横社会であることはわかります。
オオカミ達は群れで暮らしますが、その単位はまさに「家族」です。
親兄弟という単位で仲良く協力しあいながら過ごしています。その中で序列争いなどしたらそれこそ食いっ逸れてしまうし、生きていく事ができません。
では、その家族の中ではどのように見ているのでしょうか?
よくこんな話を聞きます。
「うちの旦那はいつも犬の世話なんかほとんどしないのに、お休みの日は猫っかわいがりするしんです。甘やかすだけ甘やかすのに、旦那のいうことはよく聞くし、帰宅すると大喜び・・・・私は毎日犬の世話をしているし、散歩もごはんも全部私がやっている。もちろんしつけも私です。でも帰宅しても玄関にさえ出てこないんですよ・・・旦那が甘やかすからこんなことになるんです・・・・きっと私より旦那のほうが好きなんです・・・」
まぁ、お気持ちはすごくわかるのですが、でも犬の立場で考えるとちょっと齟齬があるのです。
犬は弁別能力にすぐれた動物です。
弁別とは、類似した刺激の中からある特定の刺激だけに反応するようになることで、分化とも言われます。
つまり、人という動物、家族という類似した刺激の中からその条件に応じて反応することを言います。
このご夫婦のお話で言うと、旦那さんは休日に甘やかしてくれる人、奥さんは毎日一緒にいてくれる人ということになります。
条件からすれば旦那のほうが時間的にも短いしただ甘やかすだけだから圧倒的に好かれやすいですね。
でも、それは休日という条件の中での話であって、平日では機能しません。
一方で、毎日世話をしている奥さんは休日は出る幕がないわけです。
ところが、甘やかす姿をみるのは休日や帰宅時ばかりですから、奥さんはそれを見て、うちの犬は旦那が一番なんだと感じてしまうわけです。
長い休日に一度この関係を逆転させてみるとこのことはよくわかります。
奥さんが一日出かけていて、旦那が毎日世話をするのです。それを少なくとも1週間くらい続ければ状況は逆転しはじめます。
ただ、逆転しない場合もあります。
それは犬が飼い主さんの接し方に対して不信感をもっている場合です。
「不信感」というのは人間の価値観ですから正確にいうとちょっと違った感覚なのですが、要は飼い主さんがいつも苛立っているとか、ストレスフルであるとか、あまりにもせっかちで犬に求めるものが多すぎるとか・・・つまり犬のキャパシティを超えたつきあい方をしていると、犬はそこから逃げ出したくなります。
ところが犬は基本的に外ではリードをつけられていますから逃げられません。
で、何をするかというと、飼い主さんの目をできるだけ見ないようにするのです。
この話は長くなるので別でコラムしますが、とにかくうまくいっていない関係であればそれは根本的な見直しが必要ということです。
で、結論です。
犬は家族のみんなが大好きです。だれが一番好きだとか嫌いだとか順位はつけません。
その時その時に応じてつきあい方をかえながらうまくやっているのです。
人は自分が一番であってほしいと願うあまり、それがなんとなく嫌なだけなのです。
おおらかにまいりましょう♪