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手作り食セミナーに思うこと

今日は来週の手作り食セミナーのレシピ作りをしました。
手作り食セミナーはもう20年も続けていますが、コロナ禍のためこの3年はマンツーマンでの開催となっています。
毎月一組限定で行っているのですが、なにしろマンツーマンなので効率としてはよくありません。
ただ効率と利益で動いているわけではなく、犬と人の関わりに少しでも役立てるならと開いているので手前味噌ですが楽しくやれています。
それにマンツーマンなので個別な部分にも着目してお話しできるので、私自身も勉強にらなる部分が多くあります。
今回はお腹の緩い子のセミナーなのでその原因と現状を洗いながら進めます。

これは食べ物なのか?

スクリーニングの一つには、今食べているものについて調べる必要があります。
この子の場合は療法食の皮膚ケア – 低アレルゲン ニシン&ポテトを食べています。
で、さてさて何が入っているのか早速調べてみました。(大体知っているのですが)

原材料

サツマイモ、乾燥魚肉、魚油、アミノ酸類(タウリン)、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸、コリン、ベータカロテン)、ミネラル類(ナトリウム、カリウム、クロライド、カルシウム、リン、鉄、銅、亜鉛、ヨウ素、マンガン、セレン)、酸化防止剤(植物油抽出トコフェロール)

これが原材料です。
さて、食材として認識できるものは・・・・
サツマイモ、乾燥魚肉、魚油・・・・以上ですね。あとは全部添加物です。
そして初めに記載のあるものが一番たくさん入っていいるので、この療法食というペットフードはサツマイモでできていると言えますね。あとはニシンも含むさまざまな魚の様々な部位と様々なクオリティの高加熱されたのちの粉です。魚油もどんなものだかはわかりませんが、油ですからねぇ食材というには厳しいものもありますね。
で、このペットフードの名前は ニシン&ポテトとなっていますが、原材料から名前を表記するとすれば
「ポテト&魚カス」でしょうか?
おっとそれでは売れませんから
「ポテト&フィッシュふりかけ」が適切ですね。
まぁ、これならお腹の状態は保てるかもしれませんが、それ以外の健康は保てそうもありませんね。
ちなみに成分表示は


【栄養成分(保証分析値)】
たんぱく質17.5%以上 脂質11.0%以上 粗繊維3.5%以下 灰分8.6%以下 水分9.0%以下
となっています。
自然界に生きる動物にはありえない成分バランスです。
でも大丈夫です。
これを食べ続けていて、何か不調をきたしたら、これ以外の療法食という名のペットフードでカバーしてくれる手厚さがあります。
例えば「 糖質ケア」は犬の糖尿病の食事管理に配慮し、糖質源と食物繊維源が特別に調整された食事療法食です。

原材料

乾燥チキン、スペルト小麦、魚肉加水分解物、乾燥全卵、オーツ麦、ビートパルプ、エンドウ豆繊維、乾燥魚肉、鶏脂、亜麻仁、魚油、フラクトオリゴ糖、酵母抽出物、オオバコ、グルコサミン、コンドロイチン硫酸、アミノ酸類(DL-メチオニン、タウリン、L-カルニチン)、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸、コリン、ベータカロテン)、ミネラル類(ナトリウム、カリウム、クロライド、カルシウム、リン、鉄、銅、亜鉛、ヨウ素、マンガン、セレン)、酸化防止剤(植物油抽出トコフェロール)

おぉ、スペルト小麦を使っているのか!素晴らしいです。
スペルト小麦は古代小麦と呼ばれ小麦アレルギーにも効果があります。デンプンの分解が一般的な小麦に比べてゆっくりと行われることが期待されるので。糖尿病患者や変動血糖値の人に対して良いと云われています。(決定的なエビデンスはありません)ところがオーツ麦、ビートパルプも使っている・・・・うぅんよくわかりませんね。
まっこっちのほうが食材は多いですね。

成分はというと

【栄養成分(保証分析値)】
たんぱく質32.0%以上 脂質9.0%以上 粗繊維10.0%以下 灰分8.9%以下 水分9.0%以下

ええっ、たんぱく質32.0%以上ですか!
これ食べ続けていると肝臓悪くしますね。
でも大丈夫です。
そんな時は「 肝臓ケア」があります。
犬の肝臓病の食事管理に配慮し、タンパク質やミネラル成分が特別に調整された食事療法食です。

原材料

スペルト小麦、鶏脂、コーングルテン、魚肉加水分解物、魚油、亜麻仁、オーツ麦、ビートパルプ、米デンプン、フラクトオリゴ糖、酵母抽出物、乾燥ビール酵母、アミノ酸類(DL-メチオニン、L-リジン、タウリン、L-カルニチン)、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸、コリン、ベータカロテン)、ミネラル類(ナトリウム、カリウム、クロライド、カルシウム、リン、鉄、銅、ヨウ素、亜鉛、マンガン、セレン)、酸化防止剤(植物油抽出トコフェロール)

なるほどスペルト小麦を先頭に持ってきたわけですね。
で、成分は?

【栄養成分(保証分析値)】
たんぱく質14.0%以上 脂質17.0%以上 粗繊維 4.0%以下 灰分6.9%以下 水分9.0%以下

なんと糖質ケアの半分以下のたんぱく質ですね。一方で脂質は17.0%以上と糖質ケアの倍です。
たしかにこれなら肝臓の負担は少なくなりそうですが・・・・

そんなことを繰り返しながら犬の体はどこにいくのやら・・・・
でも大丈夫です。なぜなら犬の生命サイクルはわずか10数年です。
人間だったら訴訟になりそうなことも全然問題なく過ぎていけます。
そして犬は喋れませんからねぇ・・・
それにしてもこのペットフードはおいしいのでしょうか?
犬が喋れたらどんな食レポしてくれるでしょうか?

何の疑いもなく獣医も飼い主さんもそれを与える

それが現実です。
一般の獣医さんは食についての学びは小さいです。
多くをペットフードメーカーの営業さんから学んだり、そのペットフードメーカーの開催する無料のセミナーで学びます。
さらにはセミナーを終了すると称号も与えられます。
冠は当然のようにその獣医さんのホームページに記載されます。
獣医さんのもっとも目に留まる場所にはパンフレットとそのペットフードが鎮座しています。
・・・・・・儲かるよね・・・・ごめんなさい・・・事実ですから。

必要悪

私はこうした獣医さんの存在や処方食、療法食を必要悪だと思っています。
ないと困りますからね。
ただし、これによって体の異常が治るわけではありません。
一時的にとどめているだけです。
だからそのフードをやめるとまたすぐに異常がおこります。
だけと下痢の子が下痢にならないというのは飼い主さんにとってほっとする瞬間なのです。
だから必要なのです。

賢くなろう

でもね、犬の目線で考えた時、感じた時、はたしてそのままでいいのだろうか?
自問自答した時、ちがった道もあるのではと思えはしないでしょうか?

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