犬の痛みについて
昨日のレッスンで生徒さんが30キロのラブラドールを腕にタッチして・・・・といったトレーニングを繰り返していたら腰が痛くなりましたと・・・
で、腰に湿布貼ってたのですがどうにも回復せず、そのうち首のあたりがいたくなり首に湿布を貼ったら腰がよくなって・・・
という話を聞きました。
使った場所は腕なのにです。
身体は全部つながっているという話なのですが、ほんと不思議ですよね。
で、ボーダーコリー、前足にバンテージ
関節ではなく腕回りにです。
どうも舐めるのでつけているのだとか。
原因は不明・・・・でも元気だし走るし・・・
可動部ではないし鍵、筋部分でもないし、となると外傷
でもそれもないとなれば虫刺されなどからくるかゆみが一番怪しい。
痛みではないようだからそのままでもいいのですが、舐め壊してしまうと今度は痛みが生じるのでバンテージは対策としては正しい。
ただ、かゆみであればムヒsのようなもので緩和するのが選択肢にあがる。
抗ヒスタミン薬ほどはいらないし、ステロイドはもっといらない。
ちなみにムヒsの主成分は生薬カンゾウ由来のグリチルレチン酸やジフェンヒドラミンで炎症をおさえますが、清涼感のあるℓ-メントールが一番多く含まれています。まぁ舐めても害がないのが良いのです。
一方で液体ムヒアルファs2などの商品はステロイドが含まれているから注意が必要です。
へたな獣医にいくといっぱい薬もらって、挙げ句の果てはあれやらこれやら検査
しめてうん万円・・・・
ムヒsはうん百円・・・・
さて、土曜日はパピーパーティー、日曜日はグループレッスンがありました。2日間で数十頭の犬たちがやってきましたが、アウラのレッスンは半分は遊びでありプレイセッションです。
犬達の遊びを見ているとかなり激しいことがよくわかりますね。
犬プロはそれこそ首もとおさえてぐいぐいひっぱったり、転がりまわったりしています。
終わった後に犬の体をさわると、どの犬も激しく接したところは相手の犬のよだれでべしょべしょです。
それでもどこにも怪我をしていません。
チェイスしていても、よくもそんなスピードで走って止まれるなぁと関心するくらいの動きをしています。
パピーパーティーではウィペットとフラットコーテッドレトリバーが番外編のごとく2頭でチェイスをしていましたが、それはもう激しい!
しかしながら彼らは柔軟に相手を受け入れながら距離をとって走っています。
ジャックラッセルやポメラニアンもエナジーレベルが高いのではげしくワンプロをしています。
ボーダーコリーとシェルティーは行動が似ているので間合いの取り合いで混乱も・・・・
で、時折「キャン」という声が聞こえます。そうするといままではげしく絡み合っていた犬同士はすっと離れてインターバルをとります。
で、キャンといったからどこか怪我でもしているかというとそうではありません。
動きも洞察しているととくに問題はありません。
本当に痛かったんだろうか?
でしばらくするとまた同じように走りはじめたり、プロレスしています。
で、犬の痛みってどうなの
犬は痛みに鈍感といいますが、ほんとうのところは?
実は正確なところはまだよくわかっていないのです。
いろんな検証はなされているものの、もの言わぬ犬の痛みに対する感覚はつかめないところが沢山あるのです。
犬が痛みを感じるか感じないかといわれれば、間違いなく「痛みを感じる」です。
例えば皮膚には痛点がありますね。
注射をうつと私たちは一瞬、強い痛みを伴います。
人は全身に200万~400万あるといわれています。先端部分ほどそれは密集しているため、指先、鼻先、唇、足先などはほんの少しの刺激でもつよく痛みます。
でも、時々、注射するとき「あれっ、今日は痛くない?」きょうの看護師さんは注射うまいなぁって思う事があります。
もちろん看護師さんのテクニックの上手い下手はありますが、痛くない理由のひとつが、痛点のない部分に注射針が刺さったということもあるのです。
まぁ、それはごく稀であって、一般的な注射針の太さだと痛点をよけてうつのはなかなか難しいと言います。
ちなみにお尻に注射するとそれほどいたくありません。
えっ、それってお尻にいっぱい脂肪がついているから痛くないんじゃ????違うんですか?
実はお尻には痛点がすくないからなのです。
コントでもおしりをたたくし、昔の学校の先生はお尻をたたいたり、つまんだりしてましたね。
体罰はよくありませんが、すくなくとも指先をたたくよりはいたくありません。
だから注射もお尻にすると痛くないんです。
また、皮膚には痛点以外にも温度(温覚・冷覚)を感じたり、接触感(触圧覚)を感じたりする様々なセンサーを備えています。
痛点を含むこれらのセンサーは当然ですが犬にも備わっていいます。
ただそれは人に比べて少ないと言われています。
また、その広がり方、密度も人とは異なると言われます。
そのため、外的な痛みや温度や触感は私たちからすると鈍感に感じることがあります。
・・・・
「えっ、今の痛くないの?」
「ヒーターの前にずっといて、熱くないんだぁ?」
「雪の中を素足で歩いてよく冷たくないよね」
痛点は人の5分の1とも6分の1
とくに痛点は人の5分の1とも6分の1ともいわれるくらい少ないため、外的な刺激に対しては鈍感です。
痛点がないわけではありませんから、痛みの部位が広かったり深かったりすれば当然私たちと同じように痛みがあります。
この痛点は生まれたてはほとんど備わっておらずすこしづつ増えていくといいます。
そんなわけで、犬プロしていて噛みつきあいっこしたり、チェイスして転んだり、どこかにぶつかっても、そんなに痛い素振りはみせません。
で、よく見ていると、さんざん犬プロやっていて楽しそうなのに、突然「キャン」とないて、犬プロが中断されるとき、その2頭はなにごともなかったかのようにお水を飲み始めたり、トイレに出たりすることがあります。
こんな時は、実は痛かったのではなく、そろそろ休憩しませんか?といっていることがあるのです。それが「キャン」なのです。
これは相手に対してブレイクタイムを要求する最良の方法の一つです。
ということで、犬も痛点の密度と配置が人とちょっとちがうだけで痛みはちゃんとあるということです。
犬は痛みに鈍感というのは間違いではありませんが、痛みを伴うときは人間と同じようにやっぱり痛いのです。
くれぐれも犬をたたいて訓練しないようにお願いします。