拾い食いで考える環境エンリッチメント
なんだかまた暑さが戻ってきたようなお天気ですね。
今日はお休みですがさてさてどうしましょうね。
先週もUNOはたくさんの人と犬と場所でたくさんの素晴らしい時間を過ごすことができました。
すべては出会いに感謝です。ありがとうございました。
昨日はたまたまレッスン場の近くの神社で秋祭りがあったので、レッスン終えてからUNOと出かけました。
大きな花火があがり「ドーン」という音、太鼓の音、歌謡ショー、よっぱらいのおじさんとおばさん、はしゃぐ子供達、たむろする若者、ピエロもいましたし、ちょっと異様に感じる人の流れの中でUNOは動じずに過ごすことができました。
ここまではいい感じで想定内だったのですが、ひとつだけ問題が・・・・それは地面に落ちているあらゆる食べ物を拾うことです。
暗がりなので私の目ではそれらをチェックすることができず、UNOが先に見つけて食べてしまいます。
時には砂のなかに入り込んだものまでたべようとします。
食べれるものなだけになかなか制御ができません。
「Leave it」という言葉があらゆる誘惑を制御するようにしているのですが、食べ物に対してはまだ使いきれていません。
リーブイットは日本語でいうと「ほっときなさい」という意味になりますが、全然ほっとけないUNOです。
どちらかというとNRM(No Reward Marker)の「アッ」のほうが効果的ですが、使いすぎると犬の思考回路がおかしくなってしまうので、できればあまり使いたくないところです。
食や環境に関わる考え方のひとつとして
環境エンリッチメントがあげられます。
このプロトコルは私のトレーニングや犬との暮らし、もっといえば自分自身に生き方の底辺のひとつになっています。
とりたてて特別なことではなく、定義してそれをせつめいするまでのことではありませんし、私のレッスンや犬との接し方を見ていただければおのずとわかっていただけることですが、いってみれば
ウィキペディアではこう定義しています。
日本では犬には愛情表現がないとか、序列で生きているから服従心を養えとかいう前時代的なプロも多いし、逆にトリーツありきで餌で釣って芸を教えて自分の感情や欲求を満たすことが当たり前に行われていますが、もうすこし文化的な背景を持てたなら、それ以外のところで犬との接点が持てるはずです。
似たような話で、チワワや小型の柴犬や小型のプードルは散歩がいらないというプロがまだまだはびこっています。
環境エンリッチメントからすれば虐待に相当する考え方です。
どんな動物でも、太陽のもとで健康を保つ必要があります。そして社会との接点を持ち、自分の存在を感じたり相手を受け入れる感受性を持つべきです。軟禁または監禁されてよいのは罪を犯し、再犯性のある動物だけです。
植物だって光合成ができなければしおれてしまいます。
単なる自分の所有欲求やファッションツールとして手に入れたいのなら電子機器でよいのではないでしょうか。
犬はとくに社会的背景をベースにした動物ですから毎日長時間の留守番をするためにその場にいるわけではありません。
ただ時間配分が人間とは異なるため、10時間の軟禁が10年続いたとしても帰ってきた飼い主さんにはしっぽをふって喜んで迎えてくれる(ように人間は感じているが、それば間違いだと知るべきです)
そしてほんのすこしのスキンシップと食事がおわれば再び軟禁されて朝まで眠らなくてはならない。
朝になればまたほんの少しのスキンシップと排泄と餌の時間がすぎれば長い軟禁の日々が続くのです・・・・10年以上も・・・
この生活パターンをイメージできる人間なら、犬に散歩はいらないという言葉にうなずくことはできないはずですし、そんな言葉は発せられないはずです。
話をUNOの拾い食いの話に戻しますが、UNOは基本的に拾い食いはしません。
食べれないものを口にしてもほっておけばすぐに吐き出します。
万が一、食べて欲しくないものを口に入れた場合は「オフ」のコマンドで吐き出します。
しかしながら食べれるものが落ちて入ればそれはほぼ間違いなく食べてしまいます。
それを叱ることは私にとってもUNOにとっても不本意なことですし、できるかぎり叱りたくありません。
もちろん脅すこと(世の中で天罰とかいわれている手段)はそれ以前のことです。
食べるという行為は生命を維持する上での基本的欲求のひとつです。
それをどこで満たしていくか・・・実は手作り食にするとその価値観がぐっと高まるのです。
食という感覚を私たちが満たしていくことができたなら、余計なところで拾ったりはしなくなる可能性が高くなるのです。
世の中に落ちている食べ物はドッグフードよりはるかに美味しくできていて、犬からすればプライオリティが高いのです。
でも、私の作る手作りごはんやトリートはUNOにとって落ちている食べ物より魅力的であったなら、いずれ拾わなくなるのです。
これは訓練やしつけではないところでの関わりです。
アウラのレッスンの根っこでもありますね。
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