時と空気
怒涛の週末が終わり、今朝はのんびり駅前散歩でした。
帰宅して、玄関前に出された黄色いゴミ袋にびっくりしているUNO・・・ほんと笑えます。
まぁ、UNOはガチャガチャしていないので、ちょっとしたことでは動じないし、さして唸ることもありませんが、それでもこうなるんだなぁって、ほんと犬って面白いです。
さて、乳歯が抜け始め、顔の横の飾り毛が増え始め、体重も10キロ近くなり、見た目にも成長していることが伺えるウノです。
エナジーレベルは高くはありませんが、ワンクッション置いて行動するパターンを私自身が納得することでかなり継続的にコミュニケーションすることができるようになりました。
といっても教えているコマンドはヒールとライドとアラウンドとインとシット。そして一緒に歩く楽しさ。一緒になにかをする喜び・・・それだけです。
まだ伏せも待ても教えていません。というのも、この子のエナジーレベルで先に伏せや待てといった制御系のコマンドを教えると、とんでもなく待ってしまうことが予想されるからです。
猫も杓子も、その子の性格や背景を考えずに、おすわり、ふせ、まて、おておかわり・・・と教える方々が多いように思いますが、はたしてどうなのでしょうか。
もちろんマニュアルで教えることは簡単ですから初心者にはいいのかもしれませんが、せっかくだったらその子に応じた伝え方をしても楽しいのではと思います。
アウラには問題行動を抱えた人と犬。
保護犬、あるいは身体的に活動困難な方もレッスンにいらっしゃいます。
そんな時、おすわり、ふせ、まて、おておかわり・・・それらはほとんどにおいて無力であることを知ります。
麻酔の吹き矢で保護された野犬の子は私たちの目も見てくれません。
食べ物は誰もが部屋から出て寝静まってから食べます。
目の見えない犬にアイコンタクトはできません。
耳の聞こえない犬に「おすわり」の言葉は教えられません。
車椅子の方はヒールウォークをするのにどこにつけばよいか悩みます。
言葉の発声の困難な方はコマンドをかけるどころが褒める言葉がみつかりません。
手足の動きが緩やかな方はトリートを犬に与えることが難しく、床にこぼれてしまいます。
そんな時、私はいつも思います。
ここにはとてもいい空気が流れているんだと・・・
もしかするとその空気は私たちが感じている空気とは違うのかもしれません。
でもそれでいいのだと思うのです。
また、私は思います。
ここにはとてもいい時間が刻まれていると・・・
もしかするとその時間の運びは私たちより刻みが小さいかもしれない。
でもそれでいいのだと思える。
そうやって思えた時、お伝えすることが見えてくるのです。
ただ、それが正しいことなのか、そのプロセスが良いのかどうかはわからない。
私は自信がないし、その都度すこしばかりの時間が必要です。
おすわり、ふせ、まて、おておかわり・・・ダンスのトリックを教えることは容易いが
それは私の仕事のごく一部分でしかありません。
私の
仕事の真ん中は、
どんな人でも犬と暮らすことができる。そして楽しくすごす術がある。
どんな犬でも人と暮らすことができる。そして人の温かさを知る術がある。
それを伝えることだと思っています。
UNOはそれを私とともに学び、伝えている最中です。
未熟な私たちです。
決して万能ではないし、天才でもありません。
むしろ知らないことの方が多く、不安に思うこともあります。
足りているものと足りないものを比べれば足りないもののほうが多いでしょう。
あぁ、どうしてこんなにもできないのだろう、どうしてこんなにも知らないのだろうとおもうこともあります。
そう思うと、途端に恐怖や不安が私を包み込み始めます。
心が揺らぎます。
人が羨ましく思えます。
時に妬ましくも思えるでしょう。
そして、自分はなんてダメなのだろうと感じると涙すら溢れる。
でも、そんな未熟な自分たちだからこそ成長できるのだと私は知っています。
未熟であること、
足りないこと、
できないこと、
知らないことを楽しめるのは私たちに与えられた素晴らしい特別な時、特別な空気です。
完全にできる人には味わうことはできないのです。
いつまでも不完全な私が言うのだから間違いありません。
さぁ、今日は特別苦手なパソコン仕事を片付けよう・・・・あっ、UNOはできないのでふて寝しています。
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